ダイナピンク


 敵は、私が一人のときに襲ってきた。明らかに、私を標的にした作戦だった。
 私はとっさにダイナピンクへと変身し、仲間たちを呼んだ。
 本来なら、一人で戦うのはかなり危険だ。だからこういうときは
できるかぎり防御に徹して仲間が来るのを待つ方が得策だ。
だが、その日はそういう気にならなかった。何故なら、敵があまりにも
弱かったからだ。これなら、私一人でも倒せる。たまには一人で敵を倒して
皆にいいところを見せたい。そんなことを、考えてしまった。
それが、間違いだった。まさかこんなことになるなんて…
 敵にトドメを刺そうとしたその瞬間、背後から突然の攻撃を受け、私は
深いダメージを負った。敵は、一体ではなかった。
 あまりの痛みに地に膝をついた私の左足を、先ほどから戦っていた方の敵の
触手が刺し貫く。太腿からふくらはぎを貫通し、私を地面に固定する。
 「あううっ!!」
 勿論それだけで終わるはずがない。身動きできなくなった私を、さっきの
仕返しとばかりに散々に打ち据える。そして敵は触手を刃物のように変化させ、
私の左肩に斬りつけた。
 「あああっ!!」
 触手は深々と、私の肩に食い込んだ。刃はどうやら、少し心臓まで達したかと
思われた。意識がすこしづつ遠のいていく。
 だが、彼らはまだ私が意識を失うのを許さなかった。
 今度は、背後の敵の触手が私の腹部を貫いた。
 「あ…あっ…!!」
 そして、後ろの敵は触手から何らかの物質を私の体内に流し込んできた。
 朦朧としながら何をするつもりなのかと考えていたら、突然意識がはっきりし、
痛みが数倍にも増した。どうやら、私に死ぬまで意識を失わせないためのものらしい。
 「あああーーーーーーっ!!」
 「痛い…痛いいぃーーーーーーーーーーっっっ!!!!」
 
 これは、何かの間違いよ…そうだわ、そうに決まってる…
 どうして、私が…
 私はダイナピンクよ…正義のヒロインなのよ…
 正義は、勝つはずじゃないの…?
 私が死ぬ、なんて…そんなこと、あるはずが、ない…
 これは、きっと夢なのよ…
 ああ、悪夢なら…早く、覚めて…お、お願い…
 わ、たし………死にたく、なん…か……な、いの、に……
            
 

 

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