ニンジャホワイトはたった一人で強敵と対峙していた。仲間のセイカイ達は、 クモの糸に縛られ身動きひとつ取れなくなっていた。 敵の名は、妖怪ツチグモ。人々をさらい、ソーセージにしようとしていた。 ツチグモのアジトを付き止めたまでは良かったが仲間も糸で捕えられ、 倒されてしまった。捕えられた人達を救うには、一人でもツチグモを倒さなければならなかった。 「鶴姫ちゃーん、オマエもソーセージにしてやる!!」 ツチグモはそう言うと、ニンジャホワイトに襲い掛かってきた。その攻撃は素早く、重かった。 「うあっ!!ぐあっ!!ギャァァァ!!ううっっっ・・・・」 こちらの攻撃が決まる前に、ツチグモの攻撃を全て喰らってしまった。 スーツは切り裂かれ、血が滲んでいた。 (そんな!スーツが斬られた?!どんな刀でも切れないハズなのに・・・!) 痛みを堪え、鶴姫は手の平の血を見て愕然とした。今まで傷ついた事はあっても 決して切り裂かれた事など無かったからだ。途端に鶴姫の心に怯えが拡がっていった。 伝説の勇者、無敵のカクレンジャーが敗れるなど、今まで考えもしなかった。 しかし、今、仲間は倒され、たった一人で戦っている自分を、完璧に守ってくれるハズのスーツは、 簡単に切り裂かれた。 (で、でも、私はカクレンジャーのリーダー!こ、コイツを倒さないと・・・・) 怯える心を隠しニンジャホワイトは、ツチグモに向かって行った・・・ ・ クモの糸で両手足を縛られニンジャホワイトは、X字に宙吊りにされていた。 スーツはズタズタに切り裂かれ、身体中キズだらけだった。 マスクはツメで何度も斬られ、えぐられて半分に割れて薄汚れた素顔を晒していた。 「・・・私をどうする気?・・・・殺すの?・・・・」 ニンジャホワイトは怯えた声で聞いた。完全に敗れ去り、カクレマルも奪われた。 鶴姫の心は完全に恐怖に支配されていた。元々、勝気とはいえ、お嬢様として育てられた 16歳の女の子だ。もう何度も戦っては来たが、敗れて、しかも一人で捕えられるのは、 これが初めてだった。死の恐怖に捕われ、いつもの勝気な鶴姫は、もうそこにはいなかった。 「オマエには大魔王様に献上する、特製ソーセージになって貰う。マユで出来る簡単ソーセージなんか じゃなく、手間をかけた特上の品にな。オマエが材料なら大魔王様も、きっとお喜びになるに違いない。 クックックッ。」 (私をソーセージに?!特製?一体、何をするつもり!?) ツチグモの不可解な言葉にニンジャホワイトは混乱していた。さらわれた人達は、マユの中で すでにソーセージになっていた。 捕えられた仲間達も、もうほとんど元の姿をしていなかった。大きなソ−セージに形を変えていた。 しかし、そのマユは使わないと言う。もしかしたら、スキを見て逃げられるかもしれない・・ そんな事を考えていた。 「では、始めるとするか。精々、終わるまで頑張ってくれよ!鶴姫ちゃん!ウラッ!!」 そう言うとツチグモは、ニンジャホワイトの腹部を上から一直線にボロボロのスーツごと鋭いツメで切り裂いた。 「えっ!・・ギャァァァァ!痛ァァァイ!!ヤ、ヤメテェェェ!ぎぃひぃぃぃ!」 ニンジャホワイトは裂けた腹から鮮血を吹きながら、悲鳴を上げていた。 「オマエの腸を引き摺り出して、オマエの肉を挽き肉にして詰めるのさ!本物のソーセージを 大魔王様に献上すれば・・・・」 ツチグモは何やら妄想を始めた。すでにカクレンジャー全員を倒しているのだ。最高の品、 しかも使った材料は、妖怪の天敵、憎いカクレンジャーのリーダー、ニンジャホワイトだ。 それを献上すれば出世は思うままだ。 「ぐぎぃぃぃ!アガァァァ!ギィィィ!・・・・・がぁぁぁぁ・・・・・」 腹から腸を引き摺り出され、ニンジャホワイトは必死でもがいていた。しかし手足は糸でしっかりと 固定され、いくらもがいても、全く外れなかった。目から涙を流し、口から血を吹き、整った素顔は 真っ青になっていた。 「助けてぇ・・・御願いぃ・・・・許してぇぇぇ・・・・」 純白のスーツは血を弾き、破れた所からは血がしたたり、地面に血溜りを作っていた。あまりの痛みに 失神すら出来ない。 「もうちょっとで出来上がりだよ!ガ・ン・バ・レ・鶴姫ちゃん!ククク!」 吊るされたニンジャホワイトの戒めを解きながらツチグモは言った。地面に叩き付けられ、ニンジャホワイトは 痛みに喘いだ。手足が自由になっても、立ち上がる事さえ出来ない。必死にもがく様に逃げようとするが、 捕えられて引き戻されて、再び両手を縛られ、抵抗も出来ず高々と吊るされてしまった。下には、 壷の様な異様な機械が置いてあった。 「・・・うあぁぁ・・・・・な、何を・・・するの・・・もう・・やめてぇ・・・なんでも・・ 言うこと聞くから・・・・・」 弱々しくニンジャホワイトは言った。このままでは、死んでしまう。まだ、死にたくない。その為には 何でもしようと思っていた。 (妖怪の奴隷になってでも、生きていたい!使命なんて、もう、どうでもいい!助かりたい!!) しかし、捕えた獲物に、ツチグモは冷徹に言い放った。 「オマエはソーセージになって、大魔王様のディナーになるんだよ!さあ、仕上げだ!!イイ声で鳴きな! ニンジャホワイト!」 「ギャァァァァァ!!あ、足がァァァァァ!潰れるゥゥゥゥ!イヤァァァ!助けてぇぇぇ!死にたくないぃぃぃ!」 ニンジャホワイトのつま先が壷の中に入ると同時に、メキメキという物の砕ける音と凄まじい悲鳴が部屋中に響いた。 つま先から、ヒザ、太腿、下腹部、胸とニンジャホワイトは骨ごと砕かれ、みるみると挽き肉にされ、 腸に詰められていった。 ・ その夜、妖怪大魔王の食卓には、巨大なソーセージと変わり果てたニンジャホワイトの、いや、鶴姫家、 最後の鶴姫の首が並んでいた (文章提供…ミョーコス様) |