音を立てて、バードブラスターが虚空をとんだ。アコが目を見張ると、その触手 は音を立てて、腕に巻きついてきた。 「ああっ!」 ブルースワローは宙を翔けることを得意としている。だが、その身体は四方から 殺到する触手に巻きつかれていく。 「くっくそっ…離せぇ!」 言葉を他所に空中でX字の描くブルースワロー。アコは怯えを隠せなかった。透明な バイオ次元獣に翻弄され追い込まれ、遂に捕らえられた… 「どこを見ているのだ…」 どこからか届く声は、ブルースワローを品定めするような声色を怯えていた。アコは はっと顔をあげた。マスクがからんと音を立てて、地面へ堕ちてしまったのだ。 「…マ、マスクが……」 「さあて、早坂アコ、どう料理してようか」 にゅるにゅると触手の気持ち悪さに顔をしかめたアコ…マスクが奪われ、たちまち 防護力を失ってしまう…彼女自慢のバードニックウェーブが思うように発揮できなかった。 「どうする気…きゃっぁ!」 明らかに触手とは違う気持ち悪さが胸を襲うと、スーツがあっけなく破れ、乳房が 露出していた…そこが見えているというより、スーツが破損した恐怖と、その気持ち悪さに アコは怯えた。 「ジェットマン自慢のスーツも今じゃぼろ布だな…」 手は彼女の胸をもみ、透明な次元獣は彼女の背後から身体を這わせてきた。獣特有の 臭いがした。 「ヘンタイ!」 「なんとでもいえ…ゆっくりとブルースワロー、貴様を焼き鳥にしてやるわ」 パシュ!頭の中に火花が散る。血が滴るというより、火花が飛び散るショックに アコは歯を鳴らした。 身体の猛烈な熱に、内側から焼き尽くされ、頭が狂ってしまいそうだった。 (文章提供:サワキ様) |