武装頭脳軍ボルトでは、いつもは単独で動く幹部達が共同で作戦を練っていた。
 「天才がライブマン如きに何度も敗れるとは・・・。才能を見抜く私の目も鈍ったかな?」
 大教授ビアスに言われた一言が幹部達に強烈な危機感を与え、3人の利害関係は完全に一致した。
 (ライブマンを倒し、ビアスの信頼を回復する。)
 このシンプルな目標の為に自分達をも戦力に入れて作戦を立てて行った。
基本は各個撃破だった。(戦闘員ジンマー)(頭脳獣)のチ−ムで2人を足止めし、
(幹部三人)のチームがライブマンを一人ずつ、しかし確実に仕留めていった。
レッドファルコン、イエローライオンは既に倒されてしまった。
 最後の一人、ブルードルフィンもジンマーと頭脳獣の猛攻を受けていた。倒しても、倒しても
襲って来るジンマーと、確実にスピード、パワー共に自分を上回る頭脳獣に苦戦を続けていた。
救出に来たコロンも頭脳獣の妨害に遭い、ブルードルフィンの許まで辿り着けず、防戦で精一杯だった。
ドルフィンアローの矢は既に尽き、破壊されてしまい、不馴れなソードで闘っていたが、
既に体力も限界に達しジンマーの攻撃すらかわせなかった。
 「ヤメテェェェ!イギギギギ!グギャッ!ウギャァァァァ!」(メキメキメキ!バキッ!
バキバキバキバキ!)
 突然の悲鳴に振り返ると、ブルードルフィンを救出に来たロボットのコロンが頭脳獣に
手足をもがれ、頭部と動力炉を引き千切られて機能を停止していた。噴出したオイルで
まるで血塗れの惨殺死体だった。
 「コ、コロン!酷い・・・何てことを・・・・」
 頭脳獣はコロンの頭部をかざしながらブルードルフィンに迫って行った。
 「オマエもすぐにこうしてやろう。その首、大教授ビアス様に差し出してくれるわ!死ねェ!」
 あっ、という間に間合いを詰めると頭脳獣はブルードルフィンに腹部に強烈なパンチを決めた。
 「は、早い!グブッ!ガハッ!ああああああ・・・ギャアアアアアアアアア!」
 パンチで吹き飛んだブルードルフィンを光線が包み、大爆発を起こした。
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 透明のガラスに囲まれた部屋でブルードルフィンは目を覚ました。ライブスーツは無事だったが、
身体中が痛んだ。
 「・・・・ここは?・・・確か、頭脳獣にやられて・・・・そうだわ・・コロン・・
私の所為で・・・ごめんなさい・・・・」
 痛みを堪えブルードルフィンが立ち上がると、待っていたかの様に一斉に照明が着いた。
 「お目覚めかしら?ブルードルフィン。いや、めぐみと呼んだ方が良いかしら。フフフ。」
 ブルードルフィンが目を凝らすと、そこにはボルトの幹部の一人、ドクターマゼンダが立っていた。
 「マゼンダ!ここは何処?!私をどうするつもり!!」
 (岬 めぐみ)の直感がここは危険だと告げていた。何としても脱出しなければならない。
ブルードルフィン、ただ一人しかライブマンは残っていなのだ。コロンも破壊されてしまった今、
ボルトに抵抗出来るのは自分しかいない。
 「フフフッ、知りたい?じゃあ教えてあげるわ。ここは衛星軌道上のズノウベース、宇宙空間よ!」
 ブルードルフィンは愕然とした。ここが宇宙では、仮に脱出できたとしても地球に辿り着けない。
シャトルでも無ければ、強靭なライブスーツと言えど、大気圏で燃え尽きてしまう。
 「そしてオマエはタダの実験動物よ。実験データを取る為だけに、生きている事を許されている
モルモット。大教授ビアスは寛大な方よ。過酷な実験にも耐えられる様に強化スーツを着けたまま
なんだから。」
 (岬 めぐみ)の予感は的中した。自分を人体実験の被験者にしようというのだ。
 「モ、モルモット?!実験?!何を言ってるの!そんな事に絶対、協力しないわ!」
 ブルードルフィンはドクターマゼンダに僅かに震える声で言った。しかし、マゼンダは
冷たく言い放った。
 「モルモットの意志なんて関係ないのよ。モルモットは実験を受けるだけ。生死も関係なんて
ないのよ、分かる?」
 マゼンダがリモコンを取りだし操作すると床が僅かに開き、不気味に蠢く緑色のアメーバの様な
モノが現れた。半透明で手足も顔も無い、ゼリーの様なそれは巨大な(スライム)という表現が
ピッタリなモノだった。
 「(それ)はね、色々な生物を合成して作った生物兵器なんだけれど、食欲が旺盛になり過ぎて
しまったのよ。ただ、(それ)の食事に耐えられる大型動物がいなくてね。この実験がうまくいけば、
無能な人間の使い道も出来る、という訳。」
 身体から触手のような脚を伸ばし、(スライム)はブルードルフィンを狙い迫って行った。
 「いやぁぁぁぁぁ!放して!くぅぅぅぅぅぅ!やめてぇぇぇぇぇ!な、何?!ヒィィィィィィィ!
そんな事って・・・・・・うぁぁぁぁぁぁ!)
 下腹部に張りついた(スライム)は体液を出し始めた。なんと体液を浴びたライブスーツが
ドロドロに溶けてしまった。
 「言ったでしょう?生物兵器だって。怒らせない方が良いわよ。(それ)の体液は強酸性だから。」
 スーツを溶かした(スライム)はブルードルフィンの、いや(岬 めぐみ)の尿道と肛門に
入り込んでいった。
 「えっ!いやぁぁぁぁ!やめてぇぇぇぇ!!そんな所・・・・ぐえぇぇぇぇぇ・・・・
ぎゃぅぅぅ・・がぁぁぁぁ・・・・おごぉぉぉぉ・・・・」
 ブルードルフィンは腸の内容物を貪り食われ、膀胱の中を吸い尽されて凄まじい嘔吐感と
嫌悪感で一杯だった。
 ライブマンとして誇りを持ち、青春の全てを賭けて戦って来た、若い女性科学者にこんな
屈辱はなかった。
 「・・・・・うぁぁぁぁぁぁ・・・・・・うげぇぇぇぇぇぇ・・・・・・・もう・・・・・
やめてぇ・・・・・」
 ブルードルフィンの腸と膀胱を喰らい尽くした(スライム)は満足したのか、床下の
(巣)に帰って行った。
 マスクの下の素顔を涙と涎でグシャグシャして、放心状態の(岬 めぐみ)は
ドクターマゼンダの言葉を遠くで聞いていた。
 「オマエが死ぬまで、毎日データを採らせてもらうわ。」
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 ブルードルフィンは何度も何度も、(スライム)に腸と膀胱を(貪り食われ)続け、無様に
マゼンダに訴え続けた。
 「いやぁぁぁ!出してぇぇぇぇ!御願ぃぃぃぃ!ここから出してぇぇぇぇぇ!」
 しかし、マゼンダは笑みを浮べながら言った。
 「死んだらそこから出して、剥製にでもしてあげるわ。め・ぐ・み・さん。フフフッ。
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 捕えられて一週間後、遂に腸と膀胱がカラになり体内を突き抜け、股間から入った(スライム)が
口から現れる無惨なブルードルフィンの映像が世界中に公開され、
 人々はライブマンが全滅した事を知った。
 ブルードルフィン、(岬 めぐみ)はエサが無くなり怒った(スライム)に内臓から強酸性の
体液で溶かされ、解剖サンプルとしてボルトに保存された。

(文章提供:ミョーコス氏)




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