「第32話 死神と最終奥義 BadEnd編」

宇宙狼ファングールの素早い攻撃に翻弄されるハリケンジャーたち。
必ず三匹一組で行動するパターンを逆手に取り、一人が囮になる作戦を実行するが・・・

囮となってファングールの三位一体の攻撃を受けるハリケンブルー。
一匹のファングールがハリケンブルーの動きを捕らえ、首と脇腹を掴んでそのまま押し倒す!
「あうっ!!」

残る二匹はその鋭い爪を伸ばして、今にも捕らえた獲物に襲いかかろうとしていた。
だが、所詮獣の頭脳しかないファングールたちは、この瞬間だけ他からの攻撃に
完全に無防備になる。
(よし!今よ、みんな!)

「わあああアァァ!!」
「ぐはああっ―――!!」
しかし、聞こえてきたのはファングールではなく二人の味方、ハリケンイエローと
クワガライジャーの絶叫だった。
「なッ!なにが起こったの!?」」

ファングールと二人の間に降りたったのは、なんと暗黒七本槍ウェンディーヌとフラビージョ!
「本当はサタラクラの手伝いなんか、まっぴら御免なんだけど・・・」
「タウさま、直々の命令じゃ仕方ないわよね〜。ちょっとだけ遊んであ・げ・る♪」
足止めをするには十分すぎる強敵が手負いの二人に襲いかかった!

「そ、そんな!…はっ!」
二人の心配をする余裕もなく、ファングールたちはハリケンブルーに襲いかかる!
ファングールはその鋭利な刃物のような爪で、マスクの上からハリケンブルーの
顔面を斬りつけた!
ガリガリッ!バリバリバリッ――!
「うわああああっッ!!」

金色に額で輝くイルカの紋章はえぐられ、バイザーとマウスガードも切り裂かれ
て七海の素顔が露わになる。
もう一匹は青く輝くシノビスーツのハリケンブルーのエンブレムが描かれた胸に
爪を突き立てると、激しくかきむしった!
グサッ!ザクザクッ!ズシャッ!ズシャァッ!!バシュウッ!
「きゃあっ!はああああッ!うわあああアアァッ―――!!」

重機関銃の銃弾にさえ耐えるチタン繊維でコーティングされたシノビスーツが、
無惨に引き裂かれていく!
白いインナースーツに包まれた七海のボディラインが晒され、さらにその柔らか
なバストにまで爪を立てられ七海は絶叫した。
「そんなっ!スーツが!いやッ、いやああアアアァァッ――!!うああああ
あぁぁァッ――――!!」

ぐったりと項垂れるハリケンブルーを立ち上がらせると、三匹でその体を思う存
分いたぶるファングール。
バシュ!バシュ!ドガッ!ドガッ!!ボゴッ!ドゴオッ!!
「はうっッ!うあっ!ごふっ・・・はあ、はあ・・・・うわああああアア
アァァッ――!!」
その爪で切り裂き、突き刺し、殴る、蹴る・・・もはやそれは戦闘ではなく、凄
惨なリンチと化していた。
シノビスーツの内側から剥き出しになったナノメカニックシートが火花を散らし
て爆発し、吹っ飛んだその先で別のファングールがハリケンブルーを抱えとめる。

ドシュ!バシュ!バシュ!バシュゥッッ!
「がはっ!!ぐはあああアアァッ―――!!!」
ドガッ!ドゴォ!グサッ!ズシャァッ!!
「がはああっ!うが・・・ごふッ!!」

「・・・はあ、はあ、はあ・・・げふっ!・・・がはああアァッ―!!」
倒れることもできずに、ファングールの間を何往復もいたぶられ続けるハリケンブルー。
青いシノビスーツは残骸のようにボロボロになり、その内側の白いインナーもいたる
所が切り裂かれて白煙を上げている。


ふらつくハリケンブルーを一匹のファングールが背後から捕らえ、腕を首に回して締め上げる。 そしてブルーの右手首をつかんでその腕をいっぱいまで引き延ばすと、ピチピチ に張り詰めたスーツと鎖帷子に守られた二の腕に噛みついた! バクッ!バリバリッ!ガブリッ!! 「い、痛ッ!きゃああああっ――!!」 戦士としての修行を重ねて鍛えられた七海の体は、女性としてはかなり強靱な肉体である。 しかし、鎖帷子すら貫通する宇宙狼の牙にかかってはひとたまりもない。 自慢の筋肉は、伸びきったところを無惨にブチブチと音を立てて噛み切られてゆく! 「うわああああアアアアァァァッッ―――!!!」 残るファングールも胸や腕を掴んでしっかり固定すると、それぞれ左肩と脇腹にかぶりついた! ガブリッ!ミシミシミシッ!!ゴキッ!!バクッ!ガブ、ガブッ!ベキベキベキ・・・ 「がはあああっッ!!ああああああ――!!ぐはああああアアアァァァッ―――!!!」
ファングールのノコギリのような牙が破れかけたシノビスーツを引き裂き、骨をも 砕く顎の力で七海の肉体を食いちぎってゆく! 「い、いやああああアアアァァッ―――!うわあああぁぁっ――!!・・・・・吼太!・・一鍬!!」 しかし、助けを求める七海の絶叫に応えるものはいない。 ガブッ!バリバリッ!ブチブチブチ・・・・・ 「ぐあああっッ!・・・痛いっ!痛いよッ!助けて、鷹介!助けて――!!死んじゃう!!! 鷹介、鷹介エェェッ――――――!!!!」 30分後、鷹介と一甲が駆け付けたときに見たものは気を失って倒れた吼太・一鍬と、 血の海の中に残された青いスーツの残骸だった。 (文章:R-GRAY氏)


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