前大戦において”光の聖女(ラ・ピュセル)”エリーゼと並ぶ英雄として称えられる”剣聖”セシリアは、
19年を経た現在では、家督を継承しミルディン聖司卿となってパルミラを動かす立場となっていた。
そのセシリアには、二人の子どもがいたが、一人は新生クロスナイツとして戦う、聖女騎士団長シエラの従卒たる
娘・リフィル。そしてもう一人は、リフィルの兄で、ミルディン公の補佐、護衛として常に側近くに控える
息子・シグルド。だが、シグルドはセシリアの血を受け継ぐ子ではなかった。
「かつての戦いで、目の前にいながら守ることが出来なかった人の子」。その悔悟の想いから養子として
育てているのが彼、シグルドだった。聖女騎士が孤児を養子にするのは決して珍しくないことだ。
現聖女騎士団長のシエラも孤児であり、かつての聖女騎士団長エーヴェルの養子だったことがその好例と言える。
愛の女神の教えを人々に説く修道女でもある聖女騎士のこと、セシリアはシグルドを実の娘リフィルと
何も分け隔てることなく、深い愛情のもとに育ててきた。シグルドもまたその愛を受けて立派な青年へと
成長していた。
だが、何の不自由もないと思われる彼の人生にも、一つの大きな影があった。
「シグルド公子殿下は本当は、セシリア聖司卿猊下の実のご子息ではないのか」…。ミルディンの宮廷では、
シグルドが長じるにつれてそのような噂が流れ出したのだ。何故そんな噂が流れたか。話は簡単である。
あまりにも相貌が似すぎているのだ。娘リフィルも母セシリアに良く似ていたが、その二人と並べば、
事情を知らない誰が見てもそれが皆血を分けた家族であると疑うことは決して無かっただろう。
英雄である彼女たち前クロスナイツは皆、先の大戦では敵から散々な陵辱を受けたことはよく知られており、
彼はそのような行為の果てに産み落とされた子ではないのか。愛情深い聖女騎士として堕胎はできないものの、
聖司卿家の人間という立場上そのような醜聞を世間に晒すわけにも行かず、窮余の一策として養子ということに
したのではないのか、それが口さがない宮廷の貴族たちや下女たちなど間で囁かれた噂であった。
それは密やかに語られたが、そのような噂と言うものが本人の耳に届かぬはずはなかったのである。
そのことが、彼の健全なる精神を深い懊悩へと陥れたことは想像に難くなかった。
しかし、彼の苦悩はそれだけではなかった。彼は、母を愛していたのだ。
母を母として愛している。それだけではない。一人の女性として、彼は幼いころより母を見てしまっていたのだ。
絶世の美女と謳われる類稀なる美貌。凛とした物腰。誇り高く気高い精神。そして彼に注がれる深い愛情。
彼にとって母セシリアは常に理想の女性としての崇拝の対象であり続けた。
母に対してそのような恋慕の情を向けることは、生真面目な彼にとっては罪悪の元となり得たが、しかしそれも
血を受け継いでいないゆえに仕方のないことなのだと自分に言い聞かせてきた。
そのような状況にあったればこそ、本当は実の子かもしれない、というその噂が彼の心をさらに深く苛むこととなった。
最愛の女性、女神のごとく崇拝する女性が血を分けた実の母であり、しかも自分はその母が辱めの末に産み落とすことと
なった呪われた子である。さらに、母は自分の存在を醜聞として世間から隠した…。
決して顔にも態度にも出さなかったものの、そのような深い煩悶は彼の心に深く突き刺さり、決して抜けぬ針となって
苛み続けた。
そこを、彼女は突いてきたのだ。

邪悪なる神々、十二神王の頭脳。この世界に災厄と呪いとをばら撒いた張本人。”呪王”アスクラヴィス。
彼女はシグルドにほんの少し囁きかける。
「あなたの、欲望のままに…」

アスクラヴィスから邪悪な、そして絶大な力を与えられたシグルドは、セシリアと二人きりになったところを狙い、
彼女を襲撃した。セシリアはシグルドを止めようとミスリルメイルを装着して戦うも、最愛の息子に攻撃することは
できず、隙を突かれて昏倒させられた。そしてそのまま息子に拉致され、見知らぬ場所へ監禁されたのだった。

「やめて…お願いよシグルド…。何故こんなことを…っ?」
何故と聞いたが、セシリアは状況をほとんど理解していた。ずっと息子が自分を女として見ていたことを知っていた。
心無い噂に苦悩していたことも知っていたのだ。だが、そのことについて話すことが怖かった。親子の関係が
壊れてしまうことを怖れた。正面から向き合うことを避け続けてきた。
それが、誰よりも何よりも大切なこの子に、こんな行為をさせることになってしまった…。その後悔で、彼女は涙した。
息子の行為そのものも身を引き裂かれるほどに悲しく衝撃だが、何よりその原因を自分が作ったことが悲しかった。
「母上…私は、ずっと、ずっとあなたのことを…」
シグルドは、十字架上に拘束されて身動きの出来ない母の、装束が破れ露になった、年齢にもかかわらずいまだ
衰えない豊満で美しい乳房を揉みしだいた。最初は恐る恐る、腫れ物を触るように優しく撫でていたが、
次第にその愛撫は荒々しくなり、最後にはセシリアが痛みを覚えるほどに全力で、粗雑に、千切れんばかりの激しさで
そのふたつの至宝を扱った。
「ああん…うくぅっ…ダメ、やめて…はあう!」
「知ってますよ…あなたはこうやって、昔何度も何度も無理矢理犯されたんでしょう?そのせいで、
こうして酷く苛めてやらないと、満足できない体になってしまった」
シグルドの両手はさらに勢いを強め、セシリアの声がそれまでの喘ぎから苦痛の絶叫へと変わっていく。
「ああーっ!痛い!やめて、お願い…!シグル…ドぉっ…!」
しかしその苦しそうな声と裏腹に、頬は紅潮し、陰部からは先ほどまでとは比べ物にならぬほどの愛液がとめどなく
流れ出してきていた。彼の言うとおりだった。彼女は先の大戦のおり、他の英雄たちの誰よりも激しい陵辱と苦痛とを
様々な敵から与えられ、それが彼女の肉体に、心に深く爪痕を刻んでいたのだ。それ以来彼女は、そのような
陵辱、屈辱、苦痛の中でしか性的な満足を得られない身体と成り果てていた。夫となった人は心優しい人物であり、
誰よりも彼女に忠実であったが故に、内心大いに苦しみを抱えながらも彼女を満足させる行為を行ってきた。
そのことがまた彼女を苦しめつづけてきたのだが、現在に至ってもそのような病的な精神を治療することはできずにいた。
「ああ、母上…これからは私が…あなたを…」
最愛の、そして自らを苦悩の海へ突き落とした、この世で最も憎むべき女をその手で喘がせていることに、次第に
抑え切れない興奮を覚え、男は女の唇に自らの唇を重ねた。
「ん…んふ…あはぁ…」
「セシリア…ああ、セシリア…あなたは、…お前は…この髪、この唇、この胸も、尻も、脚も…心も全部、もう俺の、
俺だけのものだ…っ!!」
執拗に、まるで蛇のように母の口の中を這い回る息子の舌は母に母としての嫌悪と背徳感、罪悪感を、そして女としての
悦楽とを同時に与える、それはまさに禁断の果実であった。あまりにも甘美なその果実は、その強い道徳観念、夫への深い愛、
そして気高い精神をも凌駕し、母を女へと変えていく。息子にセシリアと呼び捨てにされたこと、自らの所有物と宣言されて
しまったことが、またそれに拍車をかけていく。気高くも病んだ彼女の心は、すでに止まることを拒否していた。
果実はしばしば呼吸のために引き抜かれるが、すぐにまた激しい愛撫で口の中を散々に陵辱する。
二匹の蛇は口内という楽園で飽くことなくまぐわいつづけ、それだけで女を何度となく絶頂へと導いた。
だがそれでも行為は終わることなく続けられた。何十分、いや何時間も二人は口づけをかわし続けた…。



to be continued...?




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