女神ヴェリアを信奉する、ヴェリア王国を盟主とするベルウィック同盟諸国と 邪神ラーズを崇拝するラーズ帝国との長き戦いが続くラズベリア大陸。 同盟諸国の中で、ペシル王国はラーズに近く、その激しい攻撃の前についに 降伏。邪神に膝を屈し帝国の尖兵となった。 それに耐えかね、ラーズの手先としてヴェリアの子供たちを手にかけることなど できない、としてペシル出身の女性竜騎士・ラレンティアは同盟側であるシノン公国の 若き公子リースのもとへ単身投降した。 シノン騎士団で唯一の飛行兵として、戦闘や諜報で大いに活躍したラレンティアだったが、 その抜きん出た存在感は多くの敵の狙うところとなり、罠にかけられ集中攻撃を浴びた末 飛竜は地に堕ち、彼女も瀕死の重傷を負わされ、そのまま縄目の恥辱を受けるに至った。 「う…ああ…」 傷は深く、意識が朦朧とする中、彼女は無理矢理に歩かされる。 そのおぼつかぬ足取りや苦痛に歪む表情、我慢できず漏れ出るあえぎ声、それらすべてが 彼女を連行する帝国兵たちを興奮させる。このまま連行されれば、彼女がどのような 運命を迎えることとなるか、それは誰の目にも、勿論彼女自身にさえも明白だった。 「ああ…リースさま…」 |