宇宙の果てのとある高級寿司屋。地球にある寿司屋となんら変わりのない造りで ある。 宇宙生物が死ぬ前に一度でいいから食べてみたいと思うほど味はいいらしい。 ある日の朝、開店前に卸問屋が大きな箱を持って現れた。 「大将、滅多にが手に入らない食材が2つも手に入りましたよ」 「おぉ、どれどれ・・・」箱を開けて確認する大将。 「これは珍しいね あの星の物だろう?」 「えぇ、そうなんですよ あの星の者は滅多に手に入りませんからねぇ」 「どうしてこんな掘り出し物が?」 「実は・・・」大将に耳打ちをする卸問屋 「なるほど、じゃあ今回は倍の値段を払うよ」 「ありがとうございます」 「また、いいのあったら頼むよ」お金を渡す大将 「わかりました」卸問屋はお金を受け取り返って行った。 「さてと、これを今日の裏メニューで出すか」大将は調理場へと箱を運んで行っ た。 その晩、店はいつもと変わらぬ盛況振りでカウンターが満員だった。 そこへ常連客の男が入ってきた。 「いらっしゃい どうぞ、奥の座敷へ」男は奥へと案内された。 「お客さん、今日はこの様なものが入っていますが・・・」大将は朝に仕入れた 箱を 持ってきて中身を客に見せた。 「ほう、これは珍しい。しかも、2つも」 「でしょう? 朝仕入れたばかりで新鮮ですよ」 「こんな上等なのがよく手に入ったね? 地球人だろ?」 その箱の中には見覚えのあるイエローとピンクのスーツを着た人間が入っていた 。 「なんでもカーレンジャーとか言う地球のヒーローとらしくてボーゾックとかい う 者たちがいつも邪魔されていたらしいのですが、教授と呼ばれる人の力を借り て 倒したらしく高級食材だと噂の地球の女であるこの2人を宇宙卸売市場に売り に 出していたところを仕入れて来たみたいです」 「そうかい で、なんで2人は変なスーツを着てるんだい?」 「何でも伝説の力<クルマジックパワー>によって生み出されたものらしくてそ れも 一緒に食べると力を得られるらしいです」 「なるほど じゃあ、今日はこれを頂こうかな もちろん2人とも」 「かしこまりました」 「いつもので頼むよ」 「わかりました」2人は再び調理場へ運ばれて行った しばらくして、大将が料理を持って現れた。 「おまたせしました」 「これは素晴らしい」 そこには巻き寿司にされたイエローとピンクの姿があった。 「では、どちらから頂こうかな・・・」 迷っているとイエローが目を覚ました。 「じゃあ、まずはイエローちゃんから・・・」 自分の置かれている状況に一瞬と惑ったがすぐに理解した。しかし、時すでに 遅く、箸で摘もうとしている時であった。イエローは「イヤっ!!」と言いながら 逃げようと必死にもがくしかなかった・・・ 画像:l氏 |