ある日・・・ 「きゃあああぁ!!!」 怪人の必殺技をまともに喰らい、全身を爆発させながら吹っ飛ばされるセイバーホワイト! ドガンッ!! 「くっ・・・ううぅ!・・・ま、まだよ!」 通りすがりの護送車の右側面に激突し、強化スーツの胸周りに、夥しい数の裂傷を深々と刻まれ、内部メカをスパークさせながらも、 立ち上がるセイバーホワイト!。 「バインドアロー!」 雷の矢を怪人に向けて放ち、電撃拘束を完了した。 「早く、逃げてください!」 セイバーホワイトは、激突した護送車に退避を勧告する。 「・・・アレが、噂のセイバーVねぇ・・・ガキばっかだが・・・あの白いのは・・・良い感じに育ってんな・・・」 下衆な目付きでセイバーホワイトを見続ける男がいた。 男は、強姦と傷害の現行犯で逮捕され、有罪判決が確定した為、刑務所へと護送される途中であった。 「次のターゲットは、決まったな!」 走り去る護送車の背後では、セイバーVが怪人に止めを刺していた。 男は、セイバーホワイトをなんとしても敗北させて凌辱し、屈伏させようと決意を固めた。 「とはいえ、流石に簡単に脱獄できりゃ苦労はねぇな・・・さて、どうすっか?」 男は、忌々しげに刑務所の壁を見上げていた。 その時、一陣の風が男のドス黒い欲望を叶えるモノをもたらした。 「!・・・あぁ?何だぁ、このビラァ?・・・怪人になりたい者、大募集だぁ?」 なんとも、怪しげな文面だった。 しかも最後には、もし、本当に怪人になりたいのならば、このビラ持って、強く願え!と、なんとも怪しい文章で締め括られていた。 「・・・面白ぇ!どうせ、このままムショで臭ぇメシを喰うぐらいなら、俺は、コイツに賭けるぜ!」 ビラを握り締めて強く願う男。 その脳裏に、セイバーホワイトの純白の強化スーツを破壊し尽くし凌辱の限りを尽くす自身を強く思い描いて・・・! 「・・・こ、ここは、どこだ?!」 刑務所の壁際で願っていた男が目を開けると、そこは既に刑務所ではない得体の知れない場所に変わっていた。 「まさか、ホントに願うヤツがいるなんてねぇ・・・」 通路の向こうから現れたのは、緋髪でボンテージスーツの妖艶な美女だった。 「アンタは?」 「アタシは、スカーレット。 アンタが持ってるビラを撒いた張本人さ。」 「アンタが俺に力をくれんのか?」 「あぁ、そうさ。 アンタ、怪人になってくれるんだろ?」 「あぁ。あの小娘共を簡単に蹂躙できるんならな!」 「よし、いいだろう。 交渉成立だ!ついてきなね?」 男は、スカーレットに促されるままに追従していった。 着いた先で、男は、望む力を具体的に書かされた。 「この中に入りな。 そしたら、なりたい姿、能力を具体的に、強く思い描きな! 後は、そのマシンが、その通りにアンタを改造してくれる。」 男は、カプセルに入ると、目を閉じ、様々な能力を思い描いた。 セイバーVを完膚無きまでに叩きのめし、セイバーホワイトを蹂躙する自身の姿を! 「出来たみたいだね?」 カプセルに入ってから一週間程経過した、ある日、男はカプセルから出てきた・・・人間から、かけ離れた姿となって! 「こ、これが・・・生まれ変わった俺の姿か?!」 男は、以前とはまるで違う自分の手足を、まじまじと眺めた。 「おい、アンタ! スカーレットって言ったな? 能力を試させろ!」 「あぁ、いいさね。 納得するまで訓練するがいいさ。」 男の言葉にスカーレットは、若干、驚いた。 人間離れした姿に驚きもせず、さらに、以前より遥かに強くなった力に溺れた様子もない。 「こりゃ、意外に使えるかもねぇ。」 それから一週間、男は怪人化した自身の能力の確認と習熟、そして必殺技の会得と戦場の選定と下調べと下準備に努めた。 男の性格からは、考えられない慎重さと勤勉さだったが、男は、自身の楽しみ為の努力は惜しまなかった。 そうして溜め込んだ欲望を解放する事の方が、より大きく強い快楽を得られる為である。 そして、男の姿勢にスカーレットも協力を惜しまず、暇さえあればSEXを繰り返し、自身の力を男に分け与えた。 用意周到、準備万端整えた男にスカーレットは、怪人名を与えた。 「人間だった名前を棄てて、新たな名を名乗る事で、人間から決別するんだよ。 アンタは、これから・・・パノルゴスと名乗りな。」 「パノルゴス・・・意味は?」 「狡猾・・・さね。」 「いいだろう。 今日この時から、俺は、パノルゴスだ!」 パノルゴスは、滾る欲望を抑えて戦場へと向かった。 脳裏に浮かぶは、セイバーVの破壊と蹂躙! そして、セイバーホワイトを嬲り者にした挙げ句の凌辱であった。 そして、罠とも知らずにセイバーVの五人は、パノルゴスが訓練の末に自分の庭の如く知り尽くした山中へ誘き寄せられていた。 「・・・妙な反応あったから調べてこいって事だったけど・・・範囲、広過ぎない?」 文句を言う蛍。 「確かに、こんなに広いんじゃ手分けして探索した方が効率的じゃない?」 珍しく蛍に同意する真夜。 「・・・ごめん、でも・・・何か分散するのは危険な気がして・・・」 玲奈は、山に入る直前から、手分けして探索する事に強硬に反対していた。 玲奈が、そういう事を言うのが、珍しかったので、何かあると思った四人は、玲奈の言葉を受け入れて五人で探索していた。 「一旦、一休みしましょう? そろそろ定時連絡の時間だし。」 「さんせ〜い。 朝から歩きっぱで疲れちゃったよぉ。」 智美の提案に、適当な場所を見つけて一休みする五人。 その様子を戦闘員とスピード重視の上級戦闘員コレルが見ていた。 コレルは、パノルゴスに報告する為、音も無く立ち去った。 「いよぉし!いよいよだぜ!!」 戦闘員を率いて五人の前に現れるパノルゴス! 「小娘共ぉ!! 俺は、パノルゴス! テメェらを・・・どわぁっ?!」 真夜は、ブレスレットからフォースブラスターを取り出し口上途中のパノルゴスを狙撃した! 「テメェ!いきなり何しやがる!! 口上の途中だぞ!それでも正義の味方か?!」 「生憎、私は他の四人と違って、正義の味方になった覚えは無いわ。」 「真夜ぁ、だからって悪者とはいえ、口上ぐらい聞いてやろうよぉ。 アイツ何か、お調子者っぽいから弱点とか聞き出せたんじゃない?」 珍しく頭脳的な事を言う蛍。 しかし、パノルゴスは怒りを溜め込み、表面上は、怒り狂った様に演じる。 「小娘共が・・・調子に乗るんじゃねぇ!! 殺れぇっ!!!」 戦闘員がワラワラと五人に襲い掛かる! 「みんな、いくよ! セイバーV!!」 五人の叫びにブレスレットが応え、眩い閃光を放ち、それぞれの服を光の粒子に分解する。 入れ替わりにブレスレットが噴出させた光の粒子が、少女達の瑞々しい華奢な身体に強化スーツ一式を形成していく! 最後に、マスクが形成、装着されると同時に五人の少女戦士は、フォースブラスターを抜き、迫り来る戦闘員を撃つ! 先陣の戦闘員は、全員がフォースブラスターの光弾に貫かれ、皆殺しにされた! 「ほぅ・・・ま、それぐらい抵抗してくれなきゃ、こっちも楽しめねぇからなぁっ!!」 稲妻破壊光線を撃つパノルゴス! 「危ない!」 左右に散って避けるセイバーV! 「殺れぇっ!犯れぇっ!!」 パノルゴスにけしかけられた戦闘員を、ピンク、ノワール、イエローは、ブラスターソードで斬り伏せ、ブルーとホワイトは、 フォースブラスターで、そのまま戦闘員を射殺していった。 「こんな雑魚なんかに・・・?!いない?」 戦闘員を突破したセイバーイエローの前には、さっきまでいたはずのパノルゴスが影も形も無く消えていた。 「・・・一体、どこに?」 五人は、円陣を組んで全周囲を警戒する。 パノルゴスは、その様子を樹上から眺めていた。 「一応、基本はかじっているみてぇだが・・・まだ甘ぇな!」 パノルゴスは、予め拾っておいた小石を反対側の木に向かって投げる! 「!・・・そこ!」 セイバーVは、音のした方へフォースブラスターのチャージショットを放った! 「?!・・・いない!」 「甘ぇっ!!」 「きゃあああぁ?!」 パノルゴスが放った稲妻破壊光線が、罠に嵌まって隙だらけのセイバーVに直撃する! 「戦闘員共ぉっ!!」 「しまった!伏兵が?! うあっ!」 パノルゴスは、ダメージの為に態勢を崩したセイバーVに戦闘員を襲い掛からせる! 戦闘員の奇襲に、態勢を崩したセイバーVは対応しきれず、なすがままに斬り裂かれる! 「きゃあ! くっ・・・このぉっ!」 激しく斬りつけられながらも、反撃していくセイバーV! 「ふん、退け!」 セイバーVが態勢を立て直すやいなや、戦闘員を退かせるパノルゴス。 「オラァッ!」 「きゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 パノルゴスの高速連続攻撃に、成す術無く斬り裂かれるセイバーV! 「アバヨ!」 深追いせずに、躊躇う事無く逃げ出すパノルゴス。 「待てぇっ!」 「追っちゃ駄目!」 怒りに燃えるセイバーイエローを、セイバーノワールが止める。 「真夜、何で止めんの?!」 「この状況・・・マズイわ。 ヤツの思い通りに事が運んでいる。」 「どこかで反撃しないと・・・」 「そうね・・・それには、敵の狙いを知らないと!」 「いっそのこと、逃げるってのは?」 セイバーブルーが、撤退を提案する。 しかし、それには、セイバーピンクが反論する。 「・・・それは、無理みたい。 さっきから、基地に連絡しようとしてるけど、通信が通らないし、転送シグナルも消えちゃってる。」 「袋の鼠ね。」 セイバーノワールとセイバーブルーが、策を話し合う。 「さっき、真夜が言ってた敵の狙いだけど、あたし達を自分の手で殺すのが目的なんじゃないかな?」 「陽子、どうして、そう思ったの?」 「だって、さっきの破壊光線でさ、あたし達を殺す事なんて簡単にできたじゃない? それに、その後の戦闘員の奇襲だって・・・。」 「・・・そうね。確かに不自然だわ。」 「狙いは分かったけど、どうするの?」 セイバーブルーの疑問に、セイバーピンクが答える。 「・・・罠を仕掛けてるだろうから・・・罠に向かって進むのが、一番、早いと思う。」 「いや、おかしいでしょ!」 「・・・いえ、それが正解かもしれないわ。」 即、突っ込むセイバーイエロー。 しかし、セイバーノワールは、セイバーピンクの意見に賛成だった。 結局、セイバーホワイトも賛成した為、多数決で罠に飛び込んで、喰い破る戦術を選択したセイバーV。 「さぁ、行くわよ!」 罠がある方向は、セイバーホワイトが瞬時にみつけた。 そこから、五人は、必死に走った。 セイバーホワイトが先頭に立ち、他の四人は、その通りに付いて行き、罠を回避し、地雷は、セイバーイエローが地面を凪ぎ払って粉砕した! 「こ、ここは?」 そして、五人は、平坦な高台に辿り着いた。 高台全体は、酷くぬかるんでおり、そこかしこに水溜まりがあった。 ここまで休み無く走り抜いたので、全員が肩で息をしていた。 「こ、これで・・・終わりでしょうねぇ?」 「あぁ、終わりだね・・・ただし、罠がじゃねぇ!テメェらのな!!」 「まさか、嵌められた!?」 パノルゴスが指を鳴らすと、攻撃重視の上級戦闘員、ルチャルが高台周囲から、ワラワラと現れて、セイバーVを取り囲む! 「殺れぇっ!!!」 パノルゴスの号令一下、ルチャルとパノルゴス本人が、破壊光線をセイバーVに一斉に発射する! 「きゃあああああああああああ!!!」 逃げ場の無いセイバーVを破壊光線が蹂躙する! 強化スーツが激しく火花を散らし、焼け焦げていく! 「よし、止めろ! オラァァァァァァッ!!!」 「きゃあああぁ!」 パノルゴスは、大きなダメージを受けて、白煙をたなびかせながら、よろめくセイバーVを斬り裂いた! |