(・・・・・確かに此処に入ったはずだわ・・・・・・) 山の奥にある廃工場の中、ブルードルフィンは一体のジンマー兵を追って此処に辿り着いた。 ブルードルフィンが工場の中心辺りまで来たとき、異変は起こった。 「遅かったわね、めぐみ」 「マゼンダ!」 ブルードルフィンが上を見るとマゼンダの姿があった。 「こんな所で一体何をしているの!」 「何もしていないわよ。ただ、貴方が来るのを待っていただけ・・・・・」 マゼンダはブルードルフィンを眺め品定めするように笑みを浮かべる。 「私が来たからにはボルトの計画を打ち砕いて見せるわ!」 「あら威勢が良いわね。でも、仲間は此処には来ないわ。貴方一人で戦うのよ!」 めぐみは分かっていた。先程から通信が出来ないのだ。かといってジンマーを見ただけで帰ると いうのは出来なかった。 めぐみは自ら選んで今この場所に立っている。 (私一人でも戦えるわ!) その堂々とした態度はマゼンダに嫌でも伝わった。 「兵士ジンマー!」 マゼンダの命令により、廃工場の中から何体もの兵士ジンマーが現れた。 (何て数なの!・・・・・・) いつもは多くても10体くらいだがざっと数えただけでも50体以上はその場にいた。 下級戦闘兵とはいえこの数には流石のブルードルフィンも圧倒される。 「兵士ジンマー、ブルードルフィンを痛めつけなさい!」 マゼンダの掛け声と共にジンマーがブルードルフィンに襲いかかる。 「ライブラスター!」 ブルードルフィンは襲い掛かってくるジンマーをライブラスターで撃ちぬく。しかし、 倒すのが追いつかず距離を詰められてしまう。 「はっ!」 ブルードルフィンはジャンプしてジンマーの居ない場所へ移ろうとしたが、 「そうはさせないわ!」 マゼンダがブルードルフィンにフィンガーガンを放つ。 「グアアアッッッ!」 ブルードルフィンの背中が爆発し、そのまま落下してしまった。そこにジンマーが雪崩のように 押し寄せてきた。 「ああっっ!」 ブルードルフィンはジンマー達に圧し掛かられ全身を殴られ、蹴られた。ジンマー達から 逃れようとするが手足を掴まれてしまう。 「ぐはっ!」 ブルードルフィンは全身を殴打される。ライブスーツがめぐみを守ろうとも直接攻撃を 受け続けていては体の方に影響がでる。ブルードルフィンは防ぐことも逃げることも出来ず、 そのまま気を失ってしまった・・・・・・・・ ブルードルフィンが目を覚ますと先程の廃工場の中であった。マスクは破壊され素顔を晒し、 両手首を鎖で拘束され吊るされている。目の前には多くの兵士ジンマーがマシンガンを構え待機していた。 「やっとお目覚めね、早く貴方を撃ちぬきたかったのよ。兵士ジンマー、やりなさい!」 ジンマー達はブルードルフィンに向かって一斉にマシンガンを放った。 「ぐあああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」 ブルードルフィンは全身に銃弾を浴びライブスーツは所々で爆発を起こす。めぐみは苦痛の余り、 苦悶の表情を浮かべる。 (めぐみ、いい表情だわ。これだけで終わらせてしまうのは勿体無いわ!) マゼンダはジンマー達に攻撃を止めさせ、新たな指示を出す。 めぐみは肩を大きく揺らしながら呼吸を整える。これだけまともにダメージを受ければいくら ライブスーツといえど危うい状態にある。ライブスーツのダメージが酷い箇所からは煙が上がっていた。 命令を受けたジンマー達が10体近くブルードルフィンを取り囲んだ。 (ハァハァハァ・・・・今度は何をするつもりなの・・・・・・) めぐみが考えているといきなりジンマー達は手から伸びたワイヤーらしきロープでブルードルフィンの 全身を拘束した。 「アアッッッ!!!」 ロープはブルードルフィンの腕、胸、お腹、腰、太股をじわじわと締め上げていく。そして ライブスーツに食い込んでいく。そしてジンマー達はもう片方の手でロープを叩いた瞬間だった。 「ウギャアアアアッッッッッッッ!!!!!!!!!」 ブルードルフィンはジンマーから放たれた強力な電流に襲われた。 電流はライブスーツを破壊していく。ロープが食い込んでいる箇所は爆発を激しく起こし、 すぐさま黒焦げになる。めぐみは身体を反らし小刻みに震える。目を大きく見開きながら口を閉じられずに いた。マゼンダの命令で電流が止まるとめぐみはガクッと首を落とした。 「めぐみ、我々の武装頭脳軍ボルトの仲間に入るならこの責めを止めてあげてもいいわよ。そうね、 私の実験用のモルモットとして飼ってあげるわ!」 「ハァハァハァハァ・・・・・し、死んでも貴方達の・・・・仲間になんか・・・ならないわ!」 めぐみは顔を上げて戦う意志を魅せつける。愛の為に戦うと決めた女戦士は自分を信じ、仲間を信じていた。 これくらいの事では心は圧し折られない。 「・・・・そう、残念だわ・・・・・激痛に悶え苦しむがいいわ。」 「ギャアアアアアアァァァァァァ!!!!!!!!!!」 マゼンダが合図を出すとブルードルフィンは再び電流に襲われた。 「この程度では済まさないわ。兵士ジンマー、もっと電流を強くしてやりなさい。」 「グギャアアアアアアアアーーーーーーーーッッッッッッッッッッ!!!!!!!!」 めぐみの断末魔の悲鳴が廃工場の中に響きわたる。ブルードルフィンは手首が引き千切れるのではないかと 思わせるくらい暴れ、身を捩って痛みを逃がそうとする。マゼンダはその様子を満足そうに眺める。 電流は止まることなくブルードルフィンに流れ続け、遂にめぐみは耐えられず失神してしまう・・・・ 「起きなさい、めぐみ。」 マゼンダはめぐみの頬を平手打ちして起こした。 「・・・・ま、マゼンダ・・・・・」 ブルードルフィンは先程までの威勢はなくなっていた。マゼンダはめぐみの顎に指をかけ、顔を向けさせる。 「最後に聞くわ。私のモルモットになる気になった?」 「・・・・私は・・・貴方達を・・・・絶対に・・・・・許さないわ!!!」 めぐみはマゼンダを睨みつけ、顔に蹴りを入れた。 「くっっ!!!」 力のない蹴りであったが、マゼンダの顔に見事に決まった。マゼンダはブルードルフィンから二、三歩下がる。 「おのれぇ!美しい私の顔によくも傷を・・・・」 マゼンダは電磁ムチ『グラムロッド』でブルードルフィンを滅多打ちにする。 「ぐああああっっっっっ!!!!!!!!」 「死ねっ!」 顔を蹴られ我を失ったマゼンダは攻撃の手を緩めず、ライブスーツを破壊していく。度々重なる責めで ライブスーツの耐久力もほぼ、無に等しい。鞭が当たる度に電流が流れ、ブルードルフィンは絶叫した。 「ぐああっっ!ぎゃあっっ!ぐぎゃあっっ!!」 マゼンダは我を失い、ブルードルフィンに鞭を打ち続けた。 「まだまだ終わらせないわ!」 マゼンダはブルードルフィンの下腹部にフィンガーガンを当てる。 「・・・・いやっ、やめて・・・・」 めぐみは自分でも知らず、目から涙が流れていた。 「フルパワーで破壊してやるわ!」 マゼンダがフィンガーガンを発射させた。 「ギャアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーッッッッッッッッッ!!!!!!!!! お、お腹がぁぁ!!!!!!」 ブルードルフィンの下腹部が爆発し、下腹部に激痛が走る。 「この程度では済まさないわ!」 マゼンダはフィンガーガンをブルードルフィンの下腹部にグリグリと押し付ける。威力を 最大にしてぶち込む。 「ンギャアアアアアアアアアーーーーーーーーーーーァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!! ゲボオオオッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!」 めぐみは断末魔の悲鳴を上げ、狂ったように頭を振り乱していた。 マゼンダはブルードルフィンの下腹部を徹底的に責め立てた。ブルードルフィンは体の底から悲鳴を 張り上げ、絶叫した。 口から血を吐き出し、絶叫しながら咽返る。 そして、段々と悲鳴は小さくなっていき、遂には聞こえなくなる・・・・・・ 「どう、下腹部を破壊された気分は?」 ブルードルフィンの下腹部は無残な状態になり止め処なく血が流れ、両足を伝い、床に血溜まりをつくっていた。 「もう何も答える気力も無いようね・・・・なかなか楽しかったわ、めぐみ。そろそろ楽にしてあげるわ。」 ブルードルフィンの周りにジンマーが取り囲む。ジンマーの手には剣が装着されていた。 「さよなら、めぐみ。」 マゼンダの言葉の後、ブルードルフィンはジンマー達により全身を刺された。ジンマー達はブルードルフィンの体に 剣を刺しては引き抜き、また刺した。ブルードルフィンはあっという間に全身血塗れにされてしまう。 「・・・ゥァァァァ・・・ァァァ・・・・・・・・・・・・」 めぐみは目を大きく開き、口をパクパクさせて微かな呻き声を上げていた。 (勇介・・・・丈・・・・・・ゴメン・・ね・・・・・) ジンマー達は剣を突き刺したまま電流を流し、ブルードルフィンを電流で焼き尽くした。 ・・・・数時間後、ブルードルフィンは廃工場の中で無残に変わり果てた姿で勇介達に発見された。 そして、勇介達がブルードルフィンに近づいた瞬間、ブルードルフィンの体は大爆発を起こし、 廃工場周辺もろとも全てを吹き飛ばすのであった・・・・・・ |