(ハルカの命) ハルカは、(敵)から必死に逃げていた。追って来るアングラー兵が、ひどく恐ろしかった。 普段ならば何でもない相手だったが、今は捕まったら最期だ。(あの地帝獣)に今度こそ、 殺されてしまう。誇り高い忍の戦士(だった)ハルカは、命懸けで逃げていた・・・ ・ ・ ・ ・ 山奥で独り特訓をしていたハルカは突然チューブの襲撃を受けた。ジャンプしオーラを抜けてハルカは (イエローマスク)に変身した。無数のアングラー兵達を軽く倒すと強敵(地帝忍フーミン)と対峙した。 「フーミン!!今日こそ決着をつけてあげるわ!覚悟しなさい!」 マスキーローダーを構え、イエロ−マスクはフーミンに言った。同じ(忍者)同士、今日こそ決着を 着けるつもりだった。 「フッ、バカめ。我等(地帝帝国チュ−ブ)に勝てるとでも思っているのか?」 フーミンの火炎弾を避けると、イエローマスクはマスキーローダーを放った。火炎弾を放った直後の フーミンには、これを避ける事は出来ずにフーミンは直撃を受けた!、ハズだった。 「えっ!!そんな事って・・・・・」 マスキーローダーは突然姿を現した地帝獣の手に握られていた。高速で飛んできたマスキーローダーを (キャッチ)したのだ。 「貴様の相手はこのオレ、ヒャクメドグラー様だ。我等チュ−ブに楯突いた罰だ。苦しんで死ね、 イエローマスク!」 ヒャクメドグラーは、一瞬でマスキーローダーを握り潰した。残骸を投げ捨てると、頭部に在る一際 大きな眼からビームを放った。 「ああっ、マスキーローダーが!!くっ、はぁぁぁぁ!」 腰のホルスターからレーザーマグナムを抜くと、ジャンプして間合いを詰めて近距離からヒャクメ ドグラーに連射を浴びせた。 しかし、近距離からの射撃にも関わらず、すべて避けられてしまった。しかも逆に先程のビームは着地と 同時に胸に命中した。 「うあぁぁぁぁぁ!・・・・・そんな?!・・・命中するハズ無い・・・」 胸を押さえ、イエローマスクは何とか立ち上がった。ビームの命中した所はスーツが黒く焼け焦げていた。 「ハハハッ!ノロマめ!キサマの動きなど、すべて止まって見えるわ!このマヌケが!!」 勝ち誇って言い放つヒャクメドグラーに、イエローマスクは(奥の手)を使うことにした。剣を抜き、 駆け出した。 「行くわよッ!これでも止まって見える?ハアアアアアッ!!」 掛け出したイエローマスクが2人になり、4人になり、8人になった。(奥の手)、分身の術だ。 何十人ものイエローマスクが一斉にヒャクメドグラーの周りを走り回った。剣を構えた何人かが同時に 斬りかかった。 「タアアアアッ!・・・ウガアッ!うぐぅぅぅぅぅ・・・・・く、苦しいぃぃ・・息がぁぁぁ・・ カハッ!・・・」 ヒャクメドグラーは斬りかかって来たイエローマスクではなく眼の前を走り過ぎようとしたイエローマスクの 首を掴み、締め上げた。身体を海老反らせ、イエローマスクは動かなくなった。失神寸前の様だった。 すると、何十人のイエローマスクが一斉に苦しみ始め、バタバタと倒れ、消えて行った。 「ムダだ。そんな子供騙し、このオレには通用せん。この百個の眼に掛れば、マスクマンなどオモチャにも ならんわ!」 イエローマスクを宙吊りにしたまま、ヒャクメドグラーは(全ての眼)からビームを放った。 「ウギャァァァァァァ!ウギギギギギギィィィィ!!グギャァァァァァ!・・・・・・・ぁぁぁぁぁぁぁ ・・・・」 ビームはイエローマスクの腹部に集中して命中した。スーツは破壊されて、内部のコードや基盤が剥き出しに なっていた。 「ふん!つまらん!!弱過ぎるぞ、イエローマスク。・・・よし!5分だけ時間をやろう。その間に逃げ切ったら、 オマエの勝ちだ。だが、5分を過ぎたら、オマエの命は我々のモノだ。さあ、逃げてみろ。」 ヒャクメドグラーとの戦いを観ていたフーミンが、倒されたイエローマスクに言った。ここまで イエローマスクを肉体的に追い詰め、今度は、精神的に追い詰めるつもりなのだ。 「うあぁぁぁぁぁ・・・うあぁぁぁぁぁ・・・・・」 よろよろと立ち上がり、小さな呻き声を上げてイエローマスクは走り出した・・・・・ ・ ・ ・ アングラー兵に追い立てられ、いつもの冷静さを失っていたイエローマスクは、 先回りしたヒャクメドグラーとフーミンに捕えられてしまった。 「3分半しか逃げられ無いのか?フンッ、このウスノロめ。」 腱をフーミンに斬られ、立てなくなった両ヒザをヒャクメドグラーに踏み砕かれた イエローマスクはマスクを両手で掴まれ、固定されていた。 僅かに震えながら、イエローマスクは為すがままにされていた。マスクを眺めながらヒャクメドグラーが 言った。 「・・・マスクが邪魔だな。ふんッ!!」 イエローマスクのマスクに至近距離からのビームが命中し、爆発を起こした。 「ウギャギャギャギャギャギャ!!ギャア!グギャア!ギャア!ヒギャ!ウギェェェェェェ!!」 ビームで(顔面)を削り取られる衝撃にイエローマスクは絶叫を上げ、もがき苦しんだ。 「クククッ。そうだ、オマエと交換にグレートファイブを奪いとるとしよう。コイツはいい!!ハハハッ!」 穴が開きボロボロのマスクを真っ二つに割られ、素顔を晒したハルカにヒャクメドグラーは言った。 殆ど思い付きだったが、現実的だった。 イエローマスクは覚悟を決めた。自分一人の為にグレートファイブは渡せない。 姿長官やタケルはおそらく、取引に応じてしまうだろう。 (ハルカ)は(忍者)だった。命を絶つ覚悟はとっくに出来ていた。それも仲間の為なら・・・・ 舌を噛み切った。切れた舌が喉に詰まって息が詰まり、意識が遠くなって行った・・・・・・ (みんな、ゴメン。さよなら。) 視界が白く濁って、意識が無くなり・・・・・ 「・・・・・ぐおっ!ゲブブッ!!ウゲェェェェェ!!」 イエローマスクは強烈な痛みで冥界から引き戻された。訳も分からず嘔吐を続け、スーツは悪臭を放っていた。 腹部にヒャクメドグラーの拳がメリ込み、嘔吐物と一緒に舌が吐きだされ、ピクピクと蠢いていた。 「誰が死んで良いと言った?オマエの命は我々のモノだ。我々が飽きるまで、オマエは勝手には死ねん。 殺されるまでな。」 「いやぁぁぁぁぁぁぁ・・・・死なせてぇぇぇ・・・・・アガアアッ?!エゲゲゲゲゲゲ!ヒャベケェ ェェェェ!!」 ヒャクメドグラーはイエローマスクの口に手を突っ込み、半分に切れた舌を凄まじい力で引っ張った。 「舌は要らない様だな。取ってやろう。」 ブチブチと音を立てイエローマスクの口から舌が引き千切られて行く。 「ギャベゲェェェェェェ!アガガガガガ!!・・・ガガガガガッガガ・・・・・・アァァァァァァ!!」 ブチッ、と不気味な音と共にイエローマスクの舌がヒャクメドグラーに毟り取られた。 口からは血が噴きだし黄色いスーツを赤く染めて行った。 「あぁぁぁぁぁぁ・・・・あええぇぇぇぇ・・・・あうえへぇぇぇぇぇ・・・・」 舌を毟り取られ、赤ん坊の様にしか話せなくなったイエローマスクは地帝城に連行され最下層の政治犯用の 牢獄に囚われ、凄まじい拷問を受け続けた。 ・ ・ ・ マスクマン達が(地帝王ゼーバ)を追い払い、地底を解放した。 モモコは囚人として捕えられているイエローマスクを救出に地下の牢獄に向かった。 牢に入ったモモコは何かが吊り下げられているのに気付いた。それは変わり果てたイエローマスクだった。 イエローマスク(ハルカ)は拷問の末、手足をヒジとヒザで切り落とされ傷口に金具を埋め込まれX字型に 宙吊りにされていた。 「エケケケケ・・オオコあ〜・・オオコ〜・・オオコ〜・・・エケケケケケ・・・・ハウアえ〜オハア〜」 舌を千切らた上に歯も全て抜き取られてボロボロのスーツを着けた、(壊れた)イエローマスクがそこに (棄てられて)いた。 END |