第7話・改 「ラスト・テレパシー」

クウォーター星人ダゴネールを追い、ESP能力を持つ少年を保護しようとするデカレンジャー。
だが、ジャスミンたちの前に立ちふさがった敵は最高級ドロイドであるイーガロイド!
量産型のバーツロイドやアーナロイドとは桁違いの戦闘力でデカレッドとデカイエローを
圧倒する。
「うわああああアアァァッ―――――!!!」
デカレンジャーを遥かに上回るスピードとパワーを持つイーガロイドはデカレッドを
投げ飛ばし、剣技でデカイエローを追いつめる!そのまま腕を取ったイーガロイドは、
その強靱なパワーでひねり上げてデカイエローを背後から組み伏せた!
「あうっ!!」
突き出されたデカイエローの体を盾にされ、構えた二丁のディーマグナムを封じられた
デカレッド…
「ククク、面白い!ダゴネール、取引だ!」
・・・突如、出現したエージェント・アブレラの声が響きわたる!
「スペシャルポリス一人の捕獲と引き替えにイーガロイドをもう一体タダで提供しよう。
取引成立だな?」
そして、イーガロイドはデカイエローを抱きかかえたまま少年と一緒に消えていった…



「・・・うくっ・・・・こ、ここは・・・?」
捕らえられたジャスミンは薄暗い倉庫のような場所で目を覚ます。デカスーツも解除されていた。
「ようこそ、地球署のスペシャルポリスのお嬢さん」
「エージェント・アブレラッ!」
「ここは私の研究室だ。ククク、キミからはいろいろとスペシャルポリスのデータを採取させて
もらおうと思ってね…」
手元にSPライセンスがあることを確認するジャスミン。
「ふっ、冗談は顔だけにして!・・アブレラ、お前を逮捕するわ!エマージェンシー・
デカレンジャー!」
微粒子状に分解された形状記憶宇宙金属デカメタルは、たとえどこにいても瞬時に転送される。
ヒップラインからバストへと均整の取れたプロポーションを惜しげもなく浮かび上がらせ、
妖艶なまでに鮮やかな光沢あふれるイエローのデカスーツがジャスミンを包み込んでゆく!
「フェイス・オン、デカイエロー!・・・なっ、どうして!?」

確かにジャスミンのボディには黄色く輝く完全にデカスーツが装着されていた。
変身が完了したはずのデカイエロー・・・だが、その頭部にはマスクが装着されていなかった!
無防備にさらけ出した素顔の頬に白いグローブで直接触れて、驚愕の表情を浮かべる
ジャスミン・・・



「気を失っている間に少し細工をさせてもらったぞ。貴様の苦痛にゆがむ顔が見えるようにな。
ククク」
「くっ・・・このヘンタイ!」
一瞬動揺したジャスミンだったが、すぐに普段の冷静さを取り戻して毅然とアブレラを睨みつける!
サディスティックなアブレラへの怒りをパワーに変えて、デカイエローの傷付いた体に再び力が
満ちてゆく。
「たあああアアアァァッ――――!!」
右手にディーナックルを装着し、一足飛びにアブレラに飛びかかるデカイエロー!
だが、その振り下ろそうとした拳は横から伸びた腕によりアブレラの遥か手前で止められてしまう。
「ほほう。スピード30.8m/sec、パワー578.5kgか。地球署のスペシャルポリスで最弱のわりには
なかなかのものだ。ククク・・・」
余裕の表情でデカイエローの戦闘力を分析するアブレラ。
「そのデカスーツはあとで実験に使う。死なない程度に痛めつけておけ!」
命令だけ残して立ち去っていくアブレラを追おうとするデカイエローの前に立ちふさがったのは二体の
イーガロイド。レッドと二人で戦ったときでも全く歯が立たず、五人揃ってようやく勝てるかどうかと
いう強敵である。それに対して孤立無援で傷だらけのデカイエロー。いや、たとえデカイエローが
100%以上の力を出せたとしても戦力差は絶望的だった。しかし、ジャスミンに絶望という言葉は
なかった。デカイエローとして正義の勝利を最後まで信じて戦った。
そして・・・・・
:
:
ドゴッ!バキッ!!・・ドガッ!ボゴッ!ドゴオオォッ!!
「がッ・・げふっ!・・・がはああアアアァァァッッ―――!!」
あらゆる攻撃をはね返されて、全ての武器を奪われ羽交い締めにされたデカイエロー・・・
奪い取られたディーナックルまで使われて、サンドバッグのようにめった打ちにされていた。
圧倒的なパワーで叩き込まれてる鉄拳はデカスーツの防御力をもってしても防ぎ切れるものでない。
鮮やかに黄色く光るスーツに深くめり込むディーナックルが、デカイエローの肉体を徹底的に
痛めつける!
「がはっ!・・ひぎいッ!!・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・・・」
胸倉のスーツを掴まれて、その無防備な腹にめり込むボディーブローに息が止まる!



休む間もなくみぞおちに強烈な膝蹴りを叩き込まれ、血混じりの胃液を吐きながら殴り飛ばされる!
さらに、がっしり掴まれた二の腕をありえない角度で背後にひねり上げられ、限界を越えた負荷に
肩の関節が破壊されてゆく!
メキメキメキメキィッ―――!!
「うわああああアアアアアアァァァッッ!!う、腕があああっッ―――!!!」
無限かと思われるような地獄の責め苦が終わったとき、希望を信じて最後まで戦ったデカイエローは
完膚無きまで徹底的に叩きのめされていた・・・

デカイエローは手術台のような台の上に運ばれた。天井からはライトとカメラが見下ろしている。
特に手足をなにかで拘束されているわけではない。
しかし肩の関節を破壊され、体中の筋肉が断裂して内蔵破裂寸前まで叩きのめされたデカイエローは
もはや腕一本動かすこともできなかった・・・



「・・がっ、げほっ・・・はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・・」
「ククク、まだ生きているようだな。・・・ふむ。これだけの攻撃を受けても大きな破損がない。
やはり、デカスーツはたいしたものだ」
「ア、アブレラ・・・・わ、私を・・・どうするつも・・り・・・?」
腕ほどの太さの弾力性のあるチューブのようなものを取り出すアブレラ。
「ククク、簡単なことだ。我々は対デカレンジャー用に特殊兵器を開発した。その実験台になって
もらうだけだよ」
アブレラが手にしているものと同じチューブ・・・いや、触手がたちまち手術台の左右から無数に
出現する!獲物を狙う蛇のように鎌首をもたげたそれは先端から白い液体を滴らせ、全体もぬらりと
濡れたように光っていた。
「デカメタル分解酵素を分泌するデカスーツへの侵入兵器だ。その身でたっぷり味わってくれたまえ!」

アブレラの合図で触手はデカイエローの傷付いた手足や胴体に一斉に絡みつく!
「ひっ!!い、いやあああアアアアアァァッッ――――!!!」
黄色い光沢を放つデカイエローのスーツが、たちまち触手の粘液でドロドロに汚されていく!
スーツに強く押し当てられた触手の先端は一体化するようにデカスーツを溶かしていき、ついに
不可侵の領域への侵入を果たした!



「そ、そんなあああぁっ―――!スーツがっ!・・・ひいいいイイイイイィィッ!!!」
無数の触手がデカイエローのスーツと素肌の間を蹂躙し、その体に何重にも絡みつく!
あるものは内側から再びスーツを溶かして飛び出し、別のものは上半身に幾重にも巻き付いてその胸を
絞り出すように締め上げる!
「ひぎいいいいいいイイイィッ!!いやアアアァァッ!!・・や、やめてえええぇ!!助けてッ、
誰かああああアアアァァァッッ!!」
スーツの中で呼吸が止まるまで上半身を締め付けられ、千切れるほどにその胸の柔肉を絞り出された
ジャスミン!汗と粘液にまみれた顔に涙を流しながら、冷静な彼女からは考えられない絶叫が響きわたる!

侵入した触手から分泌された分解酵素はデカスーツを内側からも溶かしてゆく。
数分後にはスーツは、デカイエローの象徴ともいえるイエローに輝く外装部分をほとんど失っていた。
「ふむ。インナースーツは組成が違って分解できないようだな。だが・・・」
さらに内部に向かう触手は、弾力性に富んだインナースーツごと下半身の二つの穴に侵入を開始する!
「なっ!!そ、それだけはッ!!・・・い、痛いイイイイィィッ!!!ひぎゃあああアアァァッッ!!!
・・・むぐッ!?・・・・げほっ、あぐっ・・・」
口から侵入する触手によって、その最後の悲痛な絶叫を無理矢理ふさがれるジャスミン。
3つの穴を力ずくでこじ開けられて同時に侵食されるこの世のものとは思えない激痛に気を失うことも、
発狂することもできない。首を振って抵抗することすら許されず、口からよだれを、下半身からは血と
体液を垂れ流し続けるデカイエロー。もはや、ただ大きく見開いた瞳からありったけの涙を流すだけしか
できなかった・・・・

1時間後、ジャスミンからのSOS信号を受けて救出に突入した4人が発見したもの・・・
それは知性的な顔を汗と涙でぐちゃぐちゃにして、粘液と自らの血と体液の中に沈む変わり果てた
デカイエローの残骸だった・・・

完         



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