T.序章 予定より半年以上早く地球に到着した残りの暗黒七本槍、六の槍サタラクラと七の槍サンダール。 さらに成長体となったマンマルバを加えて、勢揃いした七本槍の総攻撃が開始された。 裏切り者として真っ先に始末されたゴウライジャー・・・ 分断されたハリケンジャーたちも、それぞれが二人以上の七本槍を相手に圧倒的に不利な戦いを 繰り広げていた・・・ U.水忍 「『宇宙一のくの一』決定戦の続きだよ〜。七海♪」 「そう、そして完結編ね。うふふ・・・」 「フラビージョ!ウェンディーヌ!」 二人の暗黒七本槍を前にして、ハリケンジャイロを構え掛け声と共に変身する七海。 「忍風!シノビチェンジ!!…はあっ!!」 極薄の衝撃吸収ゲルと運動力を数十倍化させるナノメカニックシートが積層された白いインナー スーツが、七海の鍛え上げられた体に瞬時にフィットする。青いシノビスーツが転送・装着され、 インナースーツの上から七海の無駄のないシルエットを隠すことなく包み込んでゆく・・・ 「水が舞い、波が踊る!水忍・ハリケンブルー!」 艶めかしく鮮やかに青く輝くシノビスーツに包まれた見事なボディライン。それを惜しげもなく 躍動させて、名乗りをあげるハリケンブルー。以前にも二人と戦って追いつめられたことのある ハリケンブルーだが、焦りや恐れはなかった。仲間たちもそれぞれ別のところで強敵を相手に 戦っているはずであり、前回のような助けは期待できない。自分に今できることは、ただ目の前の敵を 倒すことだけ!七海に迷いはなかった。なにより、前に戦ったときよりも自分が強くなっているという 自負もあった。 「蛇忍法、自在剣!」 「蜂忍法、八の字殺法〜♪」 七海を苦しめた二人の暗黒七本槍の必殺技が再びハリケンブルーを襲う! 「うあああッ――!!」 二人の同時攻撃を受けて崩れ落ちる青いシルエット。だが、そこに残っていたのは青いスーツを 着ただけの丸太・・・ 「むッ!変り身の術!?」 「たあアアァッ――!超忍法!乱舞三重衝!!」 土の中から至近距離に飛び出したハリケンブルーが前回二人を撃退した大技を放つ! 苦しみながらも幾多の戦いをくぐり抜け、格段に腕を上げてきた七海の技の切れ味は前の対戦時とは 比べものにならない。 『乱』のデータをダウンロードしたハヤテ丸の斬檄が、避けようもない距離から二人に放たれる! 「超忍法!水流破ッ!!はあああッ――――!!」 さらに、自身の最大の技で一気にたたみかけるハリケンブルー!猛烈な勢いの水が二人の七本槍を襲う! バシュ!バシュ!ドシュッ!ビシャアアアアアァァッ!! 「よし、手応えありッ!!・・・えっ!?」 だが、二人がいた場所に転がっていたのは切り刻まれてびしょ濡れになった丸太・・・ 「くッ、変わり身の術ね・・・」 V.蜂忍 「自分だけが成長したと思わないでね。うふふ」 「七海、あたしたちも前よりずっーと強くなってるんだよ♪」 ニヤリと笑いを浮かべるウェンディーヌとフラビージョ。 「蜂忍法、八の字殺法!ぱーとV〜♪」 「そんな技、もう私には・・・・・え、そんなッ!?」 目の前のフラビージョの姿が歪んで分裂したかと思うと、そこにはなんと三人のフラビージョが! 「攻撃力も3倍だよ〜♪あいーん♪」 超高速飛行体勢に入った三人のフラビージョから、目にも止まらぬ連続攻撃が繰り出される! バシュッ!バシュッ!バシュッ!バシュッ!バシュッ!ドシュウッ!!・・・ 「うわああああアアアッ――――!!!」 三人分の圧倒的な攻撃がハリケンブルーを切り刻んでゆく! ババババシュッ!バシュッ!バシュッ!バシュッ!ドシュゥッ!! 「ああああアアアアアアァァァッッ―――!!」 ババババッ!バリバリバリバリッ!!バシュッ!バシュッ!! 「はああああッ!・・・そんなっ!シノビスーツが!!」 シノビスーツの表面を形成するハリケンファイバーは、チタン繊維やカーボンナノチューブを組み合わせた 最強の素材である。その複雑な分子構造が独特の艶やかな光沢を生み、至近距離から重機関銃の射撃にも 耐えるほどの強度を生み出していた。これまでの激しい戦いの中でも決して破られることなく七海の体を 守ってきた、まばゆいほど輝きを放つシノビスーツ。そのシノビスーツの表面には無数の傷が付き、 切り裂かれた中からは白いインナースーツが露出していた! さらに、その最後の防壁までも突破した刃先は七海の柔肌を容赦なく切り裂き、そのスーツを鮮血で 染めてゆく・・・ ガシッ!バシュッ!ザクッ!!ビリビリビリィッ!! 「あうっ!!ひぎいいっッ!!・・うああああアアアアアアアアアァァァッッ!!!」 「七海、恥ずかしい格好にしたげるね♪」 バシュッ!バシュッ!!バリバリバリッ!!ビリビリビリイイィッ―――!! ハリケンブルーの下半身に攻撃を集中する三人のフラビージョ! ヒップラインをくっきり浮かび上がらせるタイトなスカートが、たちまち切り裂かれて四散していく! 「きゃああああああッ!!な、なにすんのよッ―――!!ヘンタイイイィッ!!」 スカートの下の青いインナーもシノビスーツの表面であり、決して下着を見られているわけではない。 だが、宿敵であるフラビージョに遊びのようにスカートを集中して切り裂かれていくということは七海に とって十分すぎる屈辱だった。 「やっぱり、顔が見えないとつまんないな〜♪・・・どかん!」 バシュッ!!ボムウウゥッ!!! 「うわあああアアアアアアァァッッ!!!」 フラビージョの放った衝撃波がハリケンブルーの顔面に炸裂し、マスクのバイザーとフェイスガードを吹き飛ばす! 焼け焦げたマスクの中からは、額から血を流して恥辱と動揺の表情を浮かべる七海の素顔がのぞいていた。 「くッ・・・はあ、はあ、はあ、はあ・・・・・」 W.蛇忍 「今度はワ・タ・シ。じゃあ、私はパワーアップを見せてあげるわ」 ニヤリと微笑んだウェンディーヌの手に剣の代わりに握られていたのは大型スレッジハンマー! (はあ、はあ、はあ・・・あんなの一発でも食らったら・・・でも、重量級武器なら隙も大きいはず。 最初の一撃さえかわせば!) 「行くわよ!・・・――ふんッ!!」 数十キロはあろうかという武器を抱えているとは思えないスピードで懐に飛び込んでくるウェンディーヌ! だが、ハリケンブルーは満身創痍とは思えぬほどの瞬発力を見せて、上段から両手で振り下ろされるハンマーを 紙一重でかわす! (よし!もらった!) そのままスピードを生かして、ウェンディーヌの背後に回り込む! 「疾風流・激流斬ッ――!!」 ドゴオオオオォォッ!! しかし、振り上げたハヤテ丸の切っ先がウェンディーヌに届くことはなかった。 「・・・・か、がはあああッ・・・・・・!!」 ハリケンブルーの脇腹、青く輝くシノビスーツには巨大なハンマーのヘッドが深くめり込んでいた。 かわされたハンマーを片手に持ち変えたウェンディーヌは、体を半回転させながらその凶器をハリケンブルーに 叩き込んだのだ!血の混じった胃液を吐きながら、呻き声をあげるハリケンブルーの手からハヤテ丸が こぼれ落ちる・・・ ドガアアッ!!バキャアアアアッ―――! さらにウェンディーヌは脇腹から引き抜いたハンマーで、マスクに守られたハリケンブルーの横っ面を 殴り飛ばすように薙ぎ払う! 「うわああああアアアアアアァァァッッ!!!」 砕け散ったマスクからあふれた黒髪を振り乱して、回転しながら倒れようとするハリケンブルーをフラビージョが 抱え止める。朦朧とするハリケンブルーの髪をつかんで顔を上げさせ、意識を取り戻させるフラビージョ。 「まだ、寝ちゃダメだよ〜。七海♪」 「・・うううぅ・・・フ、フラビージョ・・・・・あんたなんかに絶対負けな・・・ ぐはあああああああぁぁ―――!!」 ドガオオォッ――!!ベコオオオォォッ!! 言いかけた言葉は、腹部に叩き込まれたハンマーによって遮られた。 狙いすましたハンマーの命中したバックルが火花を散らし、ベルトを貫く衝撃が内蔵から全身を突き抜けてゆく! たまらず絶叫するハリケンブルーを満足げに眺めながら、ウェンディーヌは再びハンマーを振りかぶる。 「いくわよぉ!もう一発ッ――!!」 ドゴオオオオォッ!!メキメキメキイイィッ――!!! 「げほおっ!!がはあああぁぁっ!!!」 間髪入れずの一撃がベルトの上、胸のエンブレムの真下に叩き込まれる! 濡れたようなコバルトブルーの光沢を放つシノビスーツに青いシワの渦を作って、深く沈み込んでいく 巨大なハンマー。スーツの中に守られている疾風流忍風館で鍛え上げた七海自慢の腹筋も、桁外れのパワーの前に 為す術なく粉砕されてゆく・・・ 「・・・がっ・・・ああああ・・・・・」 自らの腹に深くめり込んだをハンマーを呆然と見つめるハリケンブルー。 ハンマーの柄にしがみついたまま、両膝をついて崩れ落ちていく。 その頬に足を当てて蹴り倒し、ハリケンブルーをハンマーから引き剥がすウェンディーヌ! 仰向けに倒れて、両手で腹を押さえ悶絶するハリケンブルーが青いスーツに包まれた肢体を無防備に晒す。 苦悶に表情を歪め一筋の涙がこぼれ落ちる頬を、ウェンディーヌの足が踏みにじった。 「うふふ。無様ね」 さらにウェンディーヌは、腹をかばう手の甲の上からスーツの中の傷口をグリグリと踏みつけてゆく! 「・・・・うわああああぁッ!!ひぎいいいイイイイィッ―――!!」 七海の悲鳴を楽しむかのように、踏み付ける足に強弱をつけながらハリケンブルーをいたぶるウェンディーヌ。 そして、その胸にとどめのハンマーが振り下ろされる! ボゴオオオオオォォッ―――!!! 「がはあああアアァッ!!ひぎゃああああああああぁぁッッ――!!!」 妖艶に輝くシノビスーツの中でも存在を存分に自己主張し、ハリケンブルーの象徴ともいえる七海の胸の双丘。 振り下ろされたハンマーは、そのピチピチに張りつめたシノビスーツに守られている胸の柔肉を深く押し潰していた。 ハリケンブルーのメリハリある抜群のプロポーションを際立たせている豊かなバストが無惨に潰されていく。 「あああ・・・そ、そんなあ・・・・・あ、あたしは伝説の後継者・・がっ、げほおおッ―――!」 青い体に深く刻み込まれるダメージがハリケンブルーの戦闘力を奪い、プライドを粉々に砕いていった。 X.終章 どれだけの時間が経っただろうか。 二人の七本槍は飽きることなく、ハリケンブルーの体をいたぶり続けていた。 フラビージョの大針によってブーツごと足の甲を地面に縫い止められたハリケンブルー・・・ 後ろからウェンディーヌが抱きしめ、その手は脇の破れ目からスーツの中に侵入して七海の胸を揉みしだく。 「はうううっ!!・・・い、いや、やめて・・ひぎいイイイイイィッ――――!!」 踏み潰されて完全に破壊された左手はハリケンジャイロごと砕かれた青い籠手からスーツを晒し、だらりと 垂れ下がったまま動かない。肩口から鎖帷子ごと大きく引き裂かれノースリーブのようになった右手も、 傷付いた肩から二の腕を晒している。そんな右手でスーツの上からウェンディーヌの手を押さえることが ハリケンブルーの唯一の抵抗だった。 泣き叫ぶ七海の体をいたぶり、さらにシノビスーツを破壊し続けるウェンディーヌとフラビージョ。 「ひいイイィィッ!!い、いやああアアアアァァッ!!・・・も、もうやめてえええェェッ―――――!!!」 ビリビリビリビリビリイイィッ――――――!!! 「もう、いつでも七海を素っ裸にしちゃえるんだけど〜♪」 「うふふ。せっかくハリケンブルーを壊してるのに楽しめなくなっちゃうでしょ?」 「でも、もうこんな姿じゃハリケンブルーとは言えないよねぇ♪」 「うっふふ。本当に、どうしようもなく無様ね・・・七海」 コバルトブルーに輝くスーツの表面を全て剥ぎ取られ、シノビスーツを破壊し尽くされていた七海。 だが、その地獄は一糸まとわぬ姿になるまで終わらなかった・・・ |