教え子、アリオンを人質に取られ、あえなく敵に敗れた華蓮は囚われの身となり…
「う…うう…うっ…」
「くくくっ…なかなかいい声で鳴くじゃん…あんた、いい感じだよ」
「あ…アリ…」
「ん?何よ?」
「アリオ…ンは…無事なんで、しょう…ね…っ…!!」
「アリオン?…ああ」
「無事に決まってんじゃん…ねえ?レオ姉さま?」
「…!?」
「ふん…誰に向かって言っているのだ、バル」
「あ、アリオンっ…?」
「カレンよ…お前には失望したぞ。この程度の窮地も自力で切り抜けられんとはな」
「アリオン…?な…何を、言って…?」
「あらあら、ま〜だ気づかないの?あんた頭沸いてんじゃない?くくくっ」
「お前は私の計画に使える素材と思ったのだがな…そのためにこんな格好までして
お前に近づいたというのに…とんだ見込み違いだったようだ」
「う、嘘よ…そん、なこと…っ…」
「姉さま、こいつ殺っちゃってもいいよね?」
「好きにしろ…もう一ついい素材があるから、今後はあちらを使う。そいつはもういらん」
「ま、まさ…か…」
「ああ…そのまさかさ…ゴミほどの価値もない貴様に代わって、今度はレイにがんばってもらう
ことにしよう」
「や、やめ…て…っ」
「うっさいな、もうあんたしゃべんな」
「ぐはぁっ…!?」
「くくくっ、そうそう、その悲鳴さえ聞かせてくれりゃあいいのよ。ほら!!」
「ぐあああああっ!!」
「さらばだ、カレン…もはやお前と会うことはあるまい」
「ま、待ちなさ…ぎゃああああっ!!!」
「お前がふがいないから…代わりに大切な教え子がわが贄となるのだ…かわいそうになぁ…」
「あああっ…れ…い…っ」
「くくく…あーっはっはっは!!!」
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