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  「ちくしょう…あいつ、よくも…!!」
 体がだるい。足が重い。息が上がる。普段は全く気にならない、剣を持つということさえ
苦痛に感じる。
 我が呪いを受けるがいい…あいつはそう言った。邪剣を探す旅の途中で剣を交えた、
大鎌を持った大男。何とか勝利を収めたものの、倒すことはできず、男はどこかへ去っていった。
間違いなく、邪剣と何らかのかかわりを持つ者に違いない。カサンドラは大男の後を追うことに
決め、旅を続けていた。しかし、しばらくしてあることに気がついた。
 そう…体が思うように動かず、体力が全く回復しない。それが奴の言っていた呪いだという
考えに到達するのに、さして時間はかからなかった。最初は軽く考えていたカサンドラだったが、
日がたつにつれ、少しづつ、確実に呪いは彼女の身体を、命を蝕んでいた。
 「あ、ああっ…!!」
 そして、ついに立っていることさえままならずに彼女はその場に膝をついた。
このままでは、近いうち確実に呪いによって死に至るだろう。その前に、何とかして奴を見つけなくては…!
 「ちくしょう…ちくしょ…う」
 しかし、その思いもむなしく、もはやその肉体は一切の命令を受け付けなくなっていた。
 「い、やだ…こんな、ところ、で…」
 あたりの景色がかすんでいく。
 「ああ、姉さ…ん…」
 その脳裏に最期に浮かんだのは、姉、ソフィーティアの姿だった。
 
 

  


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