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  「ちょっと、よろしいですか?」  
 「…はい?」
 デッドオアアライブの出場選手であるレイファンは、試合を前にして少し緊張していた。
そこへ、突然控え室に彼女を呼ぶ見知らぬ女の声が聞こえる。
 「どうぞ」
 大会の関係者か何かだろう。レイファンはそんな風に軽く考えて、その女を控え室へと
招じ入れてしまった。これが、彼女の運命を変えてしまうことになると知らずに…

 「…?」
 彼女が部屋に入ってきた瞬間、レイファンはその女が何か、何と言っていいかわからないが、
何かが「おかしい」と感じた。
 銀色の髪と透き通るような白い肌。そして、獲物を射抜くような、鋭い目。
 「はじめまして。私アルヴァレーロ・ヴィエリと申します」
 「…私に何かご用ですか?」
 警戒をして筋肉を強張らせるレイファン。
 「いえ、大したことではないんですけれど…」
 女は微笑んだ。しかし何だか、その笑みには生気が感じられない。寧ろぞっとするような
冷たい笑みだった。そして…そこからぞっとするような言葉が吐かれた。
 「あなたを、展示品として回収にまいりました。レイファンさん」
 「…っ!!?」
 一瞬、まるで体を引き裂かれるような殺気を感じ、言葉に驚くより前にレイファンは 
たじろいだ。
 「…展示品…回収、ですって…?」
 少し落ち着いてくると、相手の言葉が気にかかってくる。
 「ええ。私、とある博物館の案内役兼展示品収集係なんです」
 「へ、へぇ…博物館?何の…?」
 「捕虜、ですね。一言で言うと」
 「捕虜の…博物館…?」
 「強い女性を捕虜にし…そして苦痛を与える。それが当館の”展示品”ですわ。」
 「…!!」
 表情一つ変えず、あの冷たい笑みのまま恐ろしいことを口にするその女・アルヴァを前に、
異常なものを感じて後ずさるレイファン。
 「さあ…ご同行願えますか?勿論、あなたに拒否することは許されていませんが。」
 「っ…!何よ、それ…なんで私が…!!」
 突然女の顔が目の前に来て、レイファンは言葉を止めた。そして身を守るために拳を繰り出す。
 「はっ!!」
 「うっ…!!」
 ものすごいスピードでレイファンに向かって走っていたアルヴァに、そのパンチはカウンター
気味に決まり、かなり遠くまで彼女を吹き飛ばした。
 「え…?」
 多分、かわされると思ったパンチがあまりにもあっさり決まり、逆に驚いてしまったレイファン。
どうやら相手の力量を測り違えていたらしい。そう思ってよろめきながら立ち上がるアルヴァに
向かい激しい攻撃を繰り出す。そしてそれがことごとくヒットしてしまう。
 「こんなものなの…?この程度で私を拉致しようなんて、甘いわね…!」
 もはや相手に対する言いようのない不安は消え、完全に勝ち誇り、倒れ臥す相手を見下す
レイファン。
 しかし、次の瞬間それは驚愕に変わる。 
 「っ…!!??」
 突然世界が回った、と感じた瞬間、レイファンは激しい痛みを感じた。
 「う、ああ…な、何…?」
 気づくと、倒れ臥しているのは自分だった。それを見下すその女。
 「ありがとう。なかなか気持ちよかったですよ」
 「え…」
 「いつも、回収のときはまず展示品の攻撃を受けることにしてるんですよ。ふふ…私、生まれ
ついてのマゾなんですよね…」
 わざと、受けたというのか?快感のために…
 いや、それよりも、渾身の力をこめた攻撃だったはずだ。それが、ただ、気持ちいいだけ?
 負ける、勝てるわけがない。
 驚愕は、もはや恐怖に変わっていた。
 この女にとって、獲物はただの”展示品”であって、人ではないのだ、と思わせるその
言葉もまた、レイファンの恐怖を高まらせた。もし捕らわれれば何をされるか…
  もはや、なりふりかまってはいられなかった。転倒したときに激しく頭を打ったらしく
今にも嘔吐しそうなほどの頭痛がしていたが、何とか身体を起こしたレイファンは
敵に背を向け全速力で逃げ始めた。だが、彼女の命運は、すでに尽きていた。
 「がっ…!?」
 スピードには自信があった。ダメージを受けているとは言え、逃げることだけに
全力を傾けている今の状態で、まさか自分が追いつかれるなどとは夢にも思っていなかった。
 「こんなものですか?この程度で私から逃げようなんて、甘いですね」
 さっきのレイファンのセリフをもじって返しつつ、アルヴァは背後からレイファンの
首を絞めた。
 「うう…あ…あ…あんっ!?」
 苦しみにもがく中で、突然襲ってきた快感にレイファンは思わず恥ずかしい声を漏らした。
アルヴァの指が、彼女の股間に這っていた。 
 「な、何…を…」
 「ふふ、気持ちいいでしょう?苦痛と快感、同時に味わうなんて、なかなかできませんよ」
 「あ…あぐ…あっ、あはぁ…」
 快感は、彼女の股間を濡らした。苦痛を忘れてしまうほど、レイファンの脳は快感に
痺れていた。だが…
 「ぐっ…!?」
 あと少しでイクというころで、アルヴァは首を絞める腕の力を強めた。その瞬間、
レイファンは意識を失った。
 「残念ですけど、今回はここまでです。でもこれから、たっぷりと可愛がって
あげますからね…」
 こうして、レイファンは展示品として連れ去られ、以後二度ともとの輝かしい
人生に戻ることはできなくなった…
  


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