「くっ…くっそ…ぉ…」 ジャミルは必死にもがいた。しかしとてつもなく強大な力が身じろぎすら許さない。 すでに両腕は完全に握りつぶされ、感覚さえ失われていた。 両のわき腹に食い込んだ牙が、脚を貫く爪が、ただ深々と刺さっていくだけだ。 「うっ…う…うぅ…」 血を流しすぎたのか、次第に意識が遠のいていく。 「くく…こいつで終わりだ!」 「う、ああっ…や、やめっ…!!」 ジャミルの正面に立っていた敵が、尖った尾の先端をジャミルに向けて構えた。 刺す!