人間がこの世に存在するようになるずっと昔、天使と悪魔との壮絶な戦争があった。
その戦いの末、結局は双方とも滅ぶが、その時に彼らの持つ強大な力は、種と なって地上に降り注いだ。
これ以後すべての生物が天使か悪魔どちらかの種をもって 生まれてくるようになった。
強力な天使の種をもつ人間は、僧侶などの聖職者や教師、警察官などになることが 多い(これらの
職にある人間すべてがそうというわけではないし、それを持って いてもこういった職に就かない者もいる)。
種は誰でもが持つものだが、殆どは 何の能力ももたらさず、性格に影響するだけである。
しかし稀にこの種を能力として 発現させられる者がいる。それは殆どが若い女性である。
2000年代になって、そのような能力者が何故か多数出現する。
その中で、悪魔の 能力をもつ者たちが秘密組織”ディアボロス”を結成。さまざまな破壊活動を行って いた。
それに対抗するため、天使の能力をもつ者や、まだ発現していないが強力な 天使の種を持つ者を集め、
保護・観察・育成するために創設されたのが、天使(あまつか) 学園である。
そしてここを拠点に活動する天使たちの組織は”エンジェリア”と名づけ られた。
一応表向きは敵に悟られないようにただの学校ということになっている。
そのため 大した力のない天使の種しか持たない者や、微弱ながら悪魔の種を持っている者
(これらはいわゆる「普通の子」ということになる)なども学園内には多い。
戦いは、それぞれの組織の幹部がぶつかりあう壮絶なものへと発展していった。
エンジェリアの幹部を”セラフ”、ディアボロスの幹部を”デヴィル”といい、 どちらも強力な力を持っていたが、
個々の能力ではデヴィルはセラフをはるかに 凌いでおり、エンジェリアは常に苦戦を強いられながら、
辛くも勝利を続けていた。
しかし、その奇跡も長くは続かなかった。
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